ぐーぐーラボ(略称:ぐーラボ)は、いびきに悩むあなたへ、最新情報と対策をわかりやすくお届けする情報サイトです。

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群」の違いとは?見分け方・対処法を徹底解説

Archives

Categories

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群」の違いとは

夜間に音を立てる「いびき」と、命に関わる可能性のある「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。
この2つは一見似ているようで、本質的には全く異なる問題です。ここでは、それぞれの定義と、何が違うのかを明確に解説します。

いびきは音、無呼吸症候群は“呼吸の停止”が特徴

まず、「いびき」とは、睡眠中に空気の通り道(気道)が狭くなり、呼吸時に粘膜や筋肉が振動することで発生する音です。
疲れているときや仰向け寝、飲酒後などに起こる一時的ないびきであれば、大きな問題にはなりません。

一方、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。いびきと違い、単なる音では済まない深刻な健康リスクを伴います。

SASの特徴的な症状には以下が挙げられます:

  • 睡眠中に呼吸が10秒以上停止する

  • 呼吸が止まる直前に大きないびきをかく

  • 日中の強い眠気・頭痛・集中力低下

  • 睡眠中に何度も目覚める

このように、「いびき=音」、「SAS=呼吸停止や酸素低下」という根本的な違いがあります。

SASの種類とメカニズム

睡眠時無呼吸症候群は、大きく分けて以下の3タイプに分類されます。

種類 内容
閉塞性SAS(OSA) 最も多いタイプ。喉の筋肉が弛緩し、気道が物理的にふさがれて呼吸停止が起きる
中枢性SAS(CSA) 脳の呼吸中枢がうまく働かず、呼吸指令が出なくなることで無呼吸になる
混合性SAS 上記2つの要素が組み合わさったタイプ

特に閉塞性SASは、いびきとの関係が深く、重症化しやすいため注意が必要です。

症状や見分け方:単なるいびきとSASをどう区別する?

「ただのいびきだと思っていたら実は睡眠時無呼吸症候群だった」というケースは少なくありません。
では、どこでその違いに気づけばよいのでしょうか?
ここでは、SAS特有の症状や、自宅でできる見分け方を紹介します。

家族やパートナーの証言が重要

SASの診断で最も役立つのが、一緒に寝ている人からの観察情報です。
次のようなサインが見られたら、SASの可能性が高いと言えます:

  • いびきが急に止まり、しばらくして「ガッ!」と息を吸う

  • 寝ている間に何度も呼吸が止まっている

  • 寝返りが多く、眠りが浅そう

  • 息苦しそうに寝ている

こうした様子は、いびきだけでは起こりにくく、無呼吸のサインとして重要です。

日中の眠気・集中力低下などの生活への影響

SASは、深い眠りに入れないことが原因で、日中の活動に影響を及ぼすのが特徴です。
以下のような症状が日常生活に出ている場合は、いびきではなくSASを疑うべきです。

  • 朝起きたときの頭痛や喉の渇き

  • 昼間に強い眠気や居眠りがある

  • 集中力の低下・記憶力の低下

  • 情緒不安定・うつっぽさ

いびきのみの人は、睡眠の質がそこまで悪化しないことが多いため、日中の不調が続く場合はSASのサインと考えましょう。

自宅でできる簡易チェック方法

以下のようなチェックリストを使うことで、SASの可能性を自己評価できます。

【セルフチェックリスト】SASのリスクを確認しよう

項目 YES / NO
家族やパートナーに「寝ているとき呼吸が止まっている」と言われたことがある □ YES / □ NO
起床時に口が渇いていたり、頭痛がすることがある □ YES / □ NO
昼間に眠気が強く、居眠りしてしまうことがある □ YES / □ NO
BMI(体格指数)が25以上である □ YES / □ NO
首回りが太い(男性43cm以上、女性38cm以上) □ YES / □ NO
夜中に何度も目が覚めたり、トイレに起きることがある □ YES / □ NO

※2つ以上該当する場合は、SASの疑いがあるため、検査の受診をおすすめします。

放置してはいけない理由:SASがもたらす健康リスク

「ただのいびきでしょ?」「ちょっと疲れているだけ」と思って放置されがちな睡眠時無呼吸症候群(SAS)ですが、実は放っておくと重大な健康被害を引き起こす危険性があります。ここでは、そのリスクを詳しく解説します。

高血圧・心疾患・脳卒中のリスク

SASでは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで血中の酸素濃度が低下し、心臓や血管に大きな負担がかかります。
この状態が毎晩続くと、次のような病気のリスクが大幅に上昇します。

  • 高血圧(とくに夜間高血圧)

  • 不整脈・心筋梗塞・心不全

  • 脳卒中・脳出血

実際に、SAS患者は健康な人と比べて高血圧の発症リスクが2倍以上心血管系の死亡率が5倍以上に達するという報告もあります。

交通事故・仕事のパフォーマンス低下

SASによる日中の強い眠気は、交通事故や業務中のミス・事故のリスクを高めることも問題です。
厚生労働省の調査では、SASの患者は健常者の約2.5倍の割合で居眠り運転を起こしているとされています。

とくに、運送業・建設業・医療従事者など、集中力や判断力が求められる仕事では重大な過失に繋がる可能性もあります。

死亡率との関連性も

重度のSASを放置すると、突然死のリスクも高まるとされています。
夜間の低酸素状態が引き金となり、心臓発作や脳卒中による就寝中の急死が報告されています。

さらに、SASは糖尿病やうつ病との関連性も指摘されており、体だけでなく心の健康にも影響を及ぼすことが分かってきました。

いびき・SASの対処法と治療の違い

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は原因や症状が似ているようでいて、対処法には明確な違いがあります。
ここではそれぞれのケースに合った対応方法を、生活習慣の見直しから医療的治療まで整理してご紹介します。

いびき改善の生活習慣・グッズ活用

軽度ないびきや習慣性のいびきであれば、生活習慣の改善やグッズの活用で大きな改善が見込めます。

主な改善策

  • 寝姿勢の見直し(横向きで寝る、枕の高さを調整)

  • 就寝前の飲酒・喫煙を控える

  • 適正体重を維持し、肥満を解消する

  • 鼻呼吸を促すための鼻腔拡張テープやスプレーを使用

便利な市販グッズ例

種類 効果
いびき防止枕 気道を確保しやすい寝姿勢に導く
口閉じテープ 口呼吸を防ぎ鼻呼吸を促す
鼻腔拡張テープ 鼻の通りを良くし、呼吸をスムーズにする

いびきが軽度なうちにこうした対策を取り入れることで、SASへの進行を予防できる可能性もあります。

SASは診断と治療が重要:CPAP・マウスピース治療など

一方、SASの場合は、医療機関での診断と治療が必須です。
自己判断や民間療法では不十分で、専門的な介入が求められます。

主な治療法

治療法 概要
CPAP療法 就寝中にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を広げる(重度SAS向け)
マウスピース療法 下顎を前に出す装置を口に装着し、気道を確保(軽〜中等度向け)
手術療法 アデノイド・扁桃肥大・鼻中隔湾曲など、解剖学的な異常を外科的に修正

いずれも医師の診断があって初めて適切な治療を選択できるため、SASが疑われる場合は必ず専門医を受診しましょう。

医療機関を受診すべきタイミング

以下のような症状や状況がある場合、早期の受診をおすすめします。

  • 家族から「呼吸が止まっている」と言われた

  • 昼間に強い眠気があり、生活に支障がある

  • 高血圧・糖尿病・心疾患がある

  • 体型的に首回りが太く、BMIが高めである

  • 市販グッズを使ってもいびきが改善しない

「ただのいびき」と侮らず、客観的な情報をもとに医療機関へ相談することが重要です。

まとめと参考記事

「いびき」と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は一見似ているようで、その本質と危険性に大きな違いがあります。
いびきは音の問題である一方、SASは命にも関わる呼吸障害であり、見逃してはいけない重要なサインです。

今回のポイントをまとめると以下の通りです:

  • いびきは気道が狭まることで起きる音の問題、SASは呼吸停止が起こる病気

  • SASでは、いびきだけでなく日中の眠気・頭痛・倦怠感などが伴う

  • いびきの裏にSASが隠れていることが多く、家族の証言やセルフチェックが重要

  • SASは放置すると高血圧・心疾患・交通事故・突然死のリスクを伴う

  • いびきは生活習慣で改善できる場合もあるが、SASは医療的な治療が必要不可欠

いびきを甘く見ず、「ただのいびきかも」と思っても、少しでも違和感を感じたら早めの検査と診断を受けることが、健康への第一歩です。


参考記事